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2/20 (wed) KondoIMA21 JapanTour2019 「近藤IMA21 復活ライブ 〜魂を宇宙に飛ばせ〜」

02/20・18:3022:00

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reservation

Band member:
Toshinori Kondo 近藤等則(トランペット)
HAL Oh Togashi 富樫春生(シンセサイザー)
Taizo Sakai 酒井泰三(ギター)
HIDEO Yamaki 山木秀夫(ドラム)
Kakuei (エレクトリック・パーカッション)

◇ OPEN 18:30 / START 19:00
◇ adv.6500 yen inc 1drink! / door.7000 yen inc 1drink!

 

 



25年振りの近藤等則・IMA 21復活に寄せて

 

  近藤等則が今、本気になっている。1980年代半ばから90年代初頭に彼が力を入れていたIMAを、70歳を目前にした2018年後半に再編すること
を決断したのだ。
近藤等則・IMA……。International Music Activitiesのイニシャルを冠したこのバンドは、客観的にもかなり画期的だった。個人的にも特異な存在
で、86年発表の『KONTON』で初めてそのサウンドに触れた時に得た衝撃は、今も鮮明に覚えている。近藤が言う、「ステージで自分以外のメン
バーが撃ち殺されても、一人で演奏しているようなヤツ」であるメンバーとともに、ゲストで参加した金徳洙らによる徹底的に凝縮された強い音
と、プロデューサーのビル・ラズウェルの、カット・アップなど斬新な手法を使ったその音の大胆な処理等々、録音にたずさわった全員の力量が見
事に拮抗した、鋼のように強固な演奏が繰り広げられていたのだ。そんな演奏で埋め尽くされた『KONTON』を聴いて、“これこそが新時代のロ
ックだ”ととっさに感じたものだった。
以来、このIMAの生演奏を国内だけでなく、ヨーロッパの都市も含めてかなり聴いてきた。また雑誌に記事を書くために、近藤自身に話を聞く機
会もかなりあった。そんな体験を通して感じたのは、このバンドはとてつもなく強い発信欲を持っている、ということだった。
自身が作った音を東京発全世界に向けて発信したい……。日本の多くのアーティストの視野が狭くなり始めたその当時、海外ツアーを積極的に敢
行し、バンドの自我を発信し続けることを怠らなかった彼らはたくましく映った。サウンドのみならず、活動理念にしても確かなものがある、いい
ようのないスケール感を持つバンドだったのだ。
……そのIMAの活動は、およそ10年近く続いた。が、ファンに告げることもなく、突然93年に解散。近藤は音楽拠点をアムステルダムに移した。
「音楽はただ人に聴かせるためだけにあるのか? 20世紀の音楽は都市で生まれ、都市で消費されたが、果たして21世紀の音楽のイマジネーシ
ョンは? それをアムステルダムで一人になって追求したかったんだ」と、近藤は言う。エレクトリックトランペットを開発しながら、& quot ;
Blow the Earth”(地球を吹く)と銘打った、地球の大自然と共鳴・共振する音を求めて、地球を演奏する旅に没頭した。
その間、阪神淡路大震災の支援コンサートや『マウント・フジ・エイド2000』、また『世界聖なる音楽祭』などのイヴェントをプロデュースし、
さらにDJ クラッシュや端唄の栄芝、ペインターの黒田征太郎ら異ジャンルのアーティストとのコラボレイト……と、さまざまな試みを続けてき
た。
「都市の閉鎖感の中で吹くのと、開かれた大自然の中で吹くのとじゃあ、気持ち良さがまるっきり違うんだよ。究極の気持ち良さを追求するのが音
楽の使命だろ? 21世紀の音楽はNature x Spirit x Technologyの三位一体から生まれる、と体感したんだよ」と近藤。
「地球を吹く」は、自然とのつながりを忘れ、自然を掠奪してきた20世紀文明への近藤流文明批判とも言える。
過去は頑なに振り返らず、前進のみをひたすら求めるものだけが持ちえるような、この上なく潔い確信であり、決断ではなかろうか。これまで何人
ものロックやジャズのミュージシャンが証明してきたように、確たる信念に基づいて行動するミュージシャンが作る音楽は、心を打つものになる。
近藤は69歳最後の今年、後半半年間に自主レーベルで12枚のCDを出すという暴挙に踏み出した。その中でも特筆すべきが、25年振りにIMA
でのニュー・レコーディングを完成させたことだ。KONDO・IMA 21の新作『Space Children』はそんな、確たる信念を持つミュージシャンのみ
が作りえる、心身をダイレクトに刺激する、鬼気迫った音がたっぷりと詰め込まれた力作だ。山木秀夫のドラムと新参加のKakueiのパーカッショ
ンが絡みつくビートと、自然と対峙したことでスピリチュアルな響きがぐんと増した近藤のトランペットが上下左右を縦横無尽に飛び回り、富樫
春生のキーボードと酒井泰三のギターがさまざまな表情をみせながらその中を巧みに埋めるようにして独自な形状にされた、近藤が目標とする、
“宇宙との交信”に真っ向から取り組んだようなバンド・サウンドが繰り広げられている。このメンバーでしか作りえない、強いていえば“space music
& quot; とでも形容できる、まさに21世紀の新時代の音楽を変革しうるような音で埋められた問題作だ。「魂を宇宙に飛ばせ」と言う近藤は、こ
れから国内外のツアーを敢行するという。……本気になった近藤は怖い。が、目が離せない。
 

小島 智(音楽ジャーナリスト)2018年12月記

詳細

日付:
02/20
時間:
18:30 〜22:00